食べ終わったりんごの種、これを土にまいたらりんごの実ができるんじゃないかと考えたことはありませんか?
なんだか夢がありますよね。
そこで調べてみると、りんごを種から育てることは可能だということが分かりました。
実際に育てている人はいるようです。
ただ、素人が育てても、スーパーで買うような美味しいりんごの実にはならないということも分かりました。
ここでは、市販のりんごの種からりんごを育てることは可能なのかや、実がなるまで何年くらいかかるのか。
また、種から1年目の苗「1年生苗」までの育て方をまとめてみました。
市販のりんごを種から育てるって可能?実がなるまで何年掛かるの?
誰もが一度は思ったことがあるんじゃないでしょうか。
食べた果物の種を育てたら実がなるんじゃないかと。
わたしは小さい時に柿の種を庭に植えたら芽が出て、とても嬉しかったのを覚えています。
ここではりんごに注目して、市販のりんごの種からりんごを育てることは可能かどうかをみていきます。
結論から言うと、育てられます。
食べた後のりんごの種を土に植えると、ちゃんと芽が出て、やがて木になり、真っ赤なりんごの実をつけるんですよ。
小さい種から立派な木になってやがて実をつけるって、果物も生きているんだなぁと感動してしまいますよね。
ただ、とても長い時間がかかります。
食べたあとのりんごの種から実際に実をつけるまでは約10年。
人間の赤ちゃんが生まれた時にりんごの種をまいたとすると、その子どもが小学4年生位になって初めて実をつけるんです。
ですので、りんごは種から育てるというよりは、苗木を買ってきてそれを植えるやり方が一般的です。
農家でも一般家庭でも苗木から育てるんですよ。
りんご栽培の難しいところ
なお、種からりんごを育ててちゃんと実をつけたとしても、その実が食べられるような美味しい実になるかというとそうではありません。
実は、りんご栽培には大きく2つの難しい点があります。
剪定
1つ目は剪定です。
りんごは、美味しい実をつけるために、剪定作業をする必要があります。
枝や葉が密集したままだと良いりんごが育たないからです。
そのため木の中まで太陽の光が届くように、剪定作業を行うのです。
この選定作業は、長年りんご栽培をしている農家の人でも難しいそうなんですよ。
受粉
2つ目は受粉です。
りんごは「他家結実」といって、自分の花粉では受粉しません。
他の品種の花粉で受粉し、実をつける性質を持っています。
ですので、1つのりんごを食べた後の種だけでは実は育たないということ。
複数の品種のりんごを同時に育てる必要があります。
そして受粉は、ハチの力を借りるか、人の手で受粉しなければなりません。
この受粉作業はとても難しいんですよ。
りんごの花は数個まとまって咲くんですが、この中の真ん中の花にしっかりと受粉させてやる必要があります。
これらから分かるように、素人が食べられるりんごを育てようと思うと、よほどの勉強と努力、手間ひまが必要ということですね。
もし自分で育ててみるなら、鑑賞用のりんごを育ててみるといいかもしれません。
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りんごを種から育てる方法!発芽から種まき~1年生苗まで
発芽してから間もない草や花のことを苗といいます。
ここでは、種から1年目の苗「1年生苗」までの育て方をご紹介します。
種の下準備で発芽率を高める
まず、土に植えるための種の下準備からしていきます。この下準備をしっかり行うことで、発芽率を高めることができますよ。
- りんごを美味しく食べた後、種を水で洗う
- 種の周りについた実を洗い流す
- 湿らせたキッチンペーパーで包み冷蔵庫で保管する
りんごの実には発芽を抑制する成分が入っているので、きれいに実を洗い流す必要があります。
そして、種を湿らせたキッチンペーパーや水苔などで包み、冷蔵庫で3~4日保存しておきましょう。
種を低温状態で保存しておくことで、種の外側の部分が柔らかくなり、種の中の発芽しようという力が促進されますよ。
なお、冷蔵庫で種を保存している間にカビが生えたり腐ったりしないよう、キッチンペーパーや水苔は毎日取り替えた方がいいですよ。
そして、3~4日程経ったら、種をメネデール希釈液に2~3時間ほど漬けます。
メネデールとは、植物の成長にとって欠かせない「二価鉄イオン」が含まれている植物のサプリメントのようなもので、植物活力素といわれています。
種をまく前にメネデールを100倍に希釈したメネデール希釈液に種を浸けておくと、発芽率が上がります。
メネデールは近くのホームセンターでも取り扱いがありますし、ネットでも購入することができます。
りんごの発芽に使用するななら、一番小さい200mlのタイプで事足ります。ここまでが種の下準備です。
土に植える準備&種まきに適した時期
次に、りんごの種を土に植える準備です。
りんごの種まきの時期は2~5月が良いとされています。冬場でも発芽はしますが、室内の温かい場所に置いておく必要があります。
地域によって差はありますが、外で育てるなら温かくなり始める3月から種まきするとスムーズだと思いますよ。
手順は以下の通りです。
- ポリポットなど下部に穴があいている容器に土を入れる
- 表面から2センチ程度のところに種を撒き土をかぶせ水をやる
- 土の表面が乾いたら水をあげる
土は市販の種まき用の培養土で大丈夫です。置き場所は温かい日当たりの良い場所がいいですよ。
発芽しないこともあるので、ひとつではなく複数用意して、その中の一番丈夫そうなものを選んで育てるようにしましょう。
その後、土が乾いたら水やりをするようにすれば数日待っていると、待望の芽が出てきます。
苗の植え替え
芽がある程度成長して一か月も経つと、土の中に張った根がそれまでの容器では窮屈になってきます。
4~5号程度の植木鉢に植え替えてあげましょう。
地植えの場合は11月~3月が植え替えに適した時期ですので、1月下旬~2月から種まきをした方がいいですね。
肥料は緩効性がおすすめ
鉢に植え替える時の土も、市販の果樹用の培養土を使います。
そこにゆっくりと効果が出る緩効性肥料を混ぜ込んでおくといいですよ。
追肥は肥料切れを起こす前に2~3ヶ月を目安に与えてあげましょう。好みにもよりますが、私は追肥には液肥をよく使いますね。
有機栽培にこだわっている方でしたら、コンポストで自作するのもありだと思います。
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あとは苗がぐんぐん育つのを見守るのみです。
水やりは土の表面が乾いたらやるようにしましょう。
まとめ
今回は、市販のりんごの種からりんごを育てることは可能なのかや、実がなるまで何年位かかるのか。
また、種から1年目の苗「1年生苗」までの育て方をまとめてみました。
なかなかスーパーに並んでいるような美味しいりんごを自分で育てるのは難しいかもしれません。
ですが、種から苗を育ててみて植物の命を感じてみたり、鑑賞用のりんごを育てることを楽しんでくださいね。
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