水仙の花は比較的育てやすいので、庭先に植えている人も多いと思います。
姿は上品で美しく、甘い良い香りもするため魅力的な植物ですよね。
ですが、「美しいものには棘がある」という言葉どおり、水仙には危険な毒が含まれているんです。
その毒は、水仙の球根を誤って食べたあとに死亡した人もいるほど。
絶対に口に入らないように注意しなければなりません。
ここでは、水仙の毒を誤って摂取してしまった時の症状や、致死量を詳しくお伝えします。
また、家庭菜園をしている人が気になる、水仙の毒は土にも移るのかどうかや、ペットを飼っている人の注意点などもお伝えします。
水仙の毒を摂取してしまった時の症状と致死量
水仙は、庭や公園など至るところで見かけるとても身近な植物です。
ですが、花や葉、茎、球根などすべての部位に毒があるので、気をつけなければいけない植物なのです。
毒の成分は、リコリン、タゼチン、シュウ酸カルシウムなど。
これらの毒はとても強く、誤って摂取すると嘔吐や下痢などといった食中毒のような症状や、頭痛や発汗といった症状を引き起こしてしまいます。
「水仙を誤って食べることなんてあるの?」と思うかもしれませんが、実はほぼ毎年、日本で誤って水仙を食べてしまったという報告がされています。
なぜなら、水仙の葉はニラやノビルに、球根は玉ねぎに似ていて間違いやすいのです。
Twitterで 検索してみても、かなりの数「食べ間違えた」というツイートが…
今日水仙をニラと間違えて卵とじにして食べたようだ、という方が来院。
— よっちゃんのぶりん (@fGAymCccckMLWEl) May 10, 2019
食べて30分後くらいから嘔吐と下痢。
ただ、不幸中の幸いで、水仙の毒は潜伏期間が短く、初期症状は嘔吐が多いので、嘔吐した際に毒のほとんどが身体の外に出てしまいます。
身体に入ってからだいたい30分以内に嘔吐の症状があらわれることが多いので、身体に吸収される前に外に出てしまうのです。
そのため、症状が重くなることは少ないと言えます。
ですが、特に気をつけないといけないのは、水仙の鱗茎(りんけい)という球根の部分です。
この鱗茎にはとても多くの毒が含まれているので、誤って食べてしまうと、意識がなくなったり、ひどい時には死にいたったりすることもあります。
実際に海外では死亡した人もいるんです。
毒の致死量は10グラムほどと言われています。
水仙の球根は、形が玉ねぎに似ていますし、加熱しても毒性は消えないので、誤って食べてしまわないように注意しないといけません。
なお、水仙に含まれている毒の成分の内、シュウ酸カルシウムの成分は、接触性皮膚炎を起こすこともあります。
水仙に触っただけで炎症が起きるのです。
水仙がたくさん生えている場所で散歩をする時や、水仙を植えている花壇で庭仕事をする時などは、素手や素足に触れないように気をつけなければいけないということですね。
わたしも小さい頃、家の庭でおままごとをして遊んでいた時に、水仙の葉をネギに見立てて石で刻んでしまい、手に炎症が起きてしまったことがあります。
すぐに水で洗い流したため幸い軽症でしたが、親が「こんなところに植えていてごめんね。」と泣いて謝っていた姿が印象的です。
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水仙の毒は土にも移るの?近くで家庭菜園はしない方がいい?
水仙の毒の怖さについて詳しくお伝えしましたが、これだけ強い毒を持つ植物ですから、
毒が土にも移ってしまって、育てた野菜にも毒の成分が含まれてしまわないかと心配する人もいるでしょう。
ですが、水仙の毒は土にはうつりません。
水仙のとなりで育った家庭菜園の野菜を食べても、全く問題はありませんよ。
ただ、先ほどもお伝えしたように、水仙の葉はニラやノビルに、球根は玉ねぎに似ています。
家庭菜園で育った野菜を収穫する時に、誤って水仙も一緒に抜いてしまう可能性もあります。
過去には、小学校の校庭で栽培していた水仙の球根を玉ねぎと間違って味噌汁に入れ、児童数人が中毒症状になった例も報告されているんです。
ですので、水仙の毒が土に移ることはなくても、水仙と隣り合ったところでの家庭菜園はしないことをおすすめします。
水仙の毒は犬にとって危険!ペットを飼育する際は気を付けよう
水仙の毒の致死量は10グラムほどだとお伝えしましたが、これは成人の場合です。
そのため、成人よりも体の小さいペットが誤って水仙を食べてしまうと、少ない量でも中毒を起こすこともあります。
その中毒症状は、人間と同じです。
30分以内に嘔吐によってほとんど毒を吐き出してしまいますが、中には心不全を起こしてしまった例も報告されています。
わたしも犬を飼っているのですが、そんな症状になると想像するだけで可哀想です
ですので、犬が水仙を植えている近くの土を掘っていたとか、猫が水仙の花で遊んでいるとか、そういったペットの行動を見かけた時にはすぐにやめさせましょう。
ペットが誤って水仙を食べないように十分注意をしなければいけません。
そして、万が一誤って食べてしまって症状が出た場合には、すぐに動物病院に連絡をして指示をあおいでください。
そんな恐ろしい一面を持った水仙ですが、しっかりと管理すれば簡単に球根を増やしていくことができます。
以下の記事では水仙の球根の保存方法や掘り上げる時期についてまとめました。
毎年水仙を楽しめるように書きましたので、水仙をもっと増やしたい・来年も咲かせたいという方は見ておいてくださいね。
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まとめ
水仙は、寂しくなりがちな冬の庭を彩ってくれる、心を和ませてくれる花です。
ですが一方で、毒性がとても強い植物なので注意が必要です。
水仙を植える場所と家庭菜園を完全に分けたり、ペットが入らないようにしたりと充分に工夫をして、上手に水仙と付き合っていきましょう。
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