スイカといえば夏のフルーツでというイメージですよね。
暑い日に冷たいスイカをガブリ、または小さくカットして凍らせたりジュースやスムージーもおいしいですね。
甘くてジューシーで夏の水分補給にピッタリのフルーツ、スイカ。
でも、スイカは野菜だという話を聞いたことはありませんか?
私は以前、草に実るのが野菜で木に実るのが果物だからスイカは野菜だと聞いて、なるほどーと納得した記憶があります。
でもやはりあの甘いスイカが野菜だと言われても、「甘くてジューシー」で「夏のフルーツ」なのだから果物と言われる方がしっくりきます。
ではなぜスイカは野菜だという話が出てくるのでしょう?
じつはちゃんとした理由がありました。
それは、農林水産省ではスイカを野菜として取り扱っているからなのです。
スイカが「野菜」なのはなぜ?農林水産省での分類
農林水産省では、スイカは野菜、さらに細かく言うと、「果実的野菜」という扱いになっています。
どうして野菜になっているのか、くわしく説明しますね。
まず、野菜と果物はなにか?
農林水産省では、田畑で作る栽培植物(=園芸作物)を3つに分類しています。
「野菜」と「果樹(=果物)」と「花き」です。
それぞれ次のように定義されています。
野菜は、苗を植えて1年で収穫する草本植物(=茎や葉が柔らかく、1年から数年で枯れてしまう植物)のことです。
果樹は、苗を植えて2年以上育てることができる草本植物および木本植物(=茎が木化して肥大成長する植物)の食用の果実のことです。
そして花きとは、観賞用の植物のことで、切り花や球根、鉢植え植物、花壇用の苗などがあります。
この定義があるので、苗を植えてから数ヶ月で収穫することができるスイカは野菜ということになります。
ただし、スイカは世間一般には果物と認識されていますよね。
そのため、スイカは野菜の中でも「果実的野菜」というちょっと変わった扱いになっています。
この「果実的野菜」には、スイカの他にいちごとメロンがあります。
目的があって分類をするわけですが、例外はあるものです。
「果実的野菜」というのはその例外を何とかしようとする苦肉の策のようですが、トンチの効いたネーミングとも言えますね。
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スイカは野菜で果物ではない?
じゃあスイカは野菜であって果物というのは間違いなのかというと、そうでもありません。
じつは果物とされている場合もあるのです。
例えば、文部科学省の「日本食品標準成分表」では、スイカは「果実類」とされています。
総務省が実施している「家計調査」では、スイカは「生鮮果物」つまり果物に分類されています。
しかし、同じ総務省でも「日本商品分類」では農林水産省と同じ「果実的野菜」とされています。
また、厚生労働省の「食品分類」では、スイカは「すいか」とされています。
そしてスイカの皮が「その他のうり科野菜」、スイカの種「すいか」となっています。
野菜か果物かでいうと、野菜になるというところでしょうか。
このように、目的によって分類法が変わるため、スイカのように野菜なのか果物なのかが話題になるものがあるのです。
スイカが甘いのは品種改良したから
ところで、スイカはウリの仲間ということはご存知ですか?
スイカは学術的には「ウリ科」の植物になります。
同じウリ科の食用植物には、ウリ、キュウリ、ゴーヤ(ニガウリ)、かぼちゃ(南瓜)、冬瓜(とうがん)、ズッキーニ、メロンなどがあります。
こう見てみると、ウリ科って何だか水分が多くて味の薄いものが多くないですか?
そのまま食べたりサラダにするよりも煮物や炒めものにする野菜、というイメージでしょうか。
スイカも幼果(=未熟な実)や皮の白い部分は甘みがありません。
なので、幼果や皮の白い部分は漬物やピクルス、煮物や炒めものなどにして食べられています。
じつはスイカももとをたどれば甘くはなかったのです。
スイカはもともと乾燥地帯に自生していて、水分はたっぷり蓄えているものの甘みはほとんどなかったと言われています。
人類が水分を目当てに食べるようになったことでよりおいしく食べられるようにと品種改良され、今のような甘いスイカになってきたのです。
これらのことを知ると、スイカが野菜というのも違和感がなくなりませんか?
私は小さい頃に食べたスイカの幼果の漬物がコリコリとしてとてもおいしかった記憶がよみがえり、野菜でもいいよねと思ってしまいました。食いしん坊ですね。
まとめ
スイカが野菜と言われるのは、農林水産省での扱いからということがわかりました。
しかし、分類の目的が変わると果物になる場合もあることもわかりました。
スイカが野菜か果物かという話がよく出てくるのは、たくさんの人たちがスイカに興味を持っているからだと思います。
家でもお店でもアウトドアでも、どこだっておいしく食べられるスイカは、野菜でも果物でもおいしいことに変わりはないですもんね。