芍薬に花が咲かない原因は、主にこの3つが考えられます。
- つぼみが乾燥している
- 摘蕾していない
- 株が弱っている
ざっくりと書きましたが、以下の記事で詳しく解説していきたいと思います。
芍薬に花が咲かない原因①つぼみが乾燥している
芍薬はつぼみがとても固い植物です。乾燥しているとより固くなり、花が咲きづらくなってしまいます。乾燥していたら水をあげるようにしてください。
春から夏にかけて乾燥しやすくなってくるので、マルチングなどの対策が必要になります。
マルチングとは植物の根元をワラやウッドチップなどの資材で覆うことで、土に含まれている水分の蒸発を防止する効果があります。ビニールがかけられている畑を見たことがあるんじゃないでしょうか。
[adsense]
芍薬に花が咲かない原因②摘蕾していない
摘蕾(てきらい)とはつぼみを摘み取ることです。
芍薬はつぼみが多くつきます。開花の際に株に大きな負担がかかり大量のエネルギーが必要です。
そのまま育てても良いのですが、小さな花しか咲かないことが多く場合によっては咲かないこともあります。
芍薬の負担を減らすために早めにつぼみの数を減らしてみましょう。一般的に1茎に1花ぐらいがちょうど良いと言われています。
芍薬に花が咲かない原因③株が弱っている
芍薬の花が咲かない最も大きな原因は、株自体が弱っていることだと思われます。
株が弱る原因は以下の主に4つです。
1. 肥料不足
芍薬はたくさんの肥料を消費します。そのため時期を分けて肥料を与えることが大切になって来ます。
まずは元肥です。株を植えこむ時の用土に緩効性肥料を混ぜ込みます。緩効性肥料とは1度に溶けずに長い間効果が持続する肥料のことです。
地植えの場合はたい肥や腐葉土を混ぜてみても良いでしょう。
植え込みが終わった後は年に3回、時期を分けて肥料を与えます。
- 芽がつぼみへと生長していく3月
- 花が咲き終わった後の5月から6月にお礼肥え
- 翌年の芽ができ始める10月
2月にも肥料を与える方もいますが、基本的にはこの3回で問題ありません。
いずれの場合も、緩効性肥料を使用してください。与える際は根に直接当たらないように株の周りに円を描くようにすると良いです。株が痛む原因になります。
2. 葉を痛める
前年に葉を痛めるとその葉が出ている茎からは花が咲きにくくなります。
原因としては
- 切り花にする際に葉も一緒に切り落としてしまった
- 害虫によって葉がかじられた
- 夏場の強い直射日光と乾燥
などが考えられます。
芍薬は8月下旬頃に新しく花芽を付け始めます。その時期に葉が痛んでいると、光合 成がうまくできなくなり花芽に栄養が運ばれていきません。
夏場の強い日光を避けるため、太陽が高い時間は日陰になるような場所で育てるのが良いでしょう。
害虫が発生したら、すぐに捕まえて駆除してください。春から秋にかけて定期的に殺虫剤を散布すれば、害虫の発生を抑えられるでしょう。
3. 病気
人間も植物も病気になれば弱ってしまいます。
芍薬がかかってしまう代表的な病気は2種類です。全体が白く粉がかかったようになるうどん粉病と、つぼみや葉に茶色い斑点ができて最終的には溶けてきてしまう灰色カビ病があります。
予防と対策は以下の通りです。
うどん粉病
うどん粉病はカビが原因です。カビが生えにくい、風通しの良く日光の当たる場所で育てるのが1番の対策になります。
複数の芍薬を育てる場合は、株と株を密集させすぎないように気を付けましょう。葉が密集しすぎると湿気がたまりやすくなります。
うどん粉病にかかってしまった時は、白くなった部分を取り除きます。その後は専用の殺菌剤を散布してください。
灰色カビ病
灰色カビ病もその名の通りカビが原因です。風通しが良く日光の当たる場所で健康に育てられれば良いと思います。
感染した場合は早めに取り除きごみとして捨てましょう。放置するとすぐに広がってしまいます。
初期の段階では薬剤で何とかなることもあります。ひどくなってしまうと株ごと取り除くことになるので早めの対策が重要です。
4. 株分けをしていない
芍薬を植えてから数年経つと芽の数がだいぶ増えてきます。だんだん花付きが悪くなり、最終的には花が咲かなくなってしまいます。
これを避けるために適切な時期に株分けを行いましょう。地植えの場合は5年、鉢植えの場合は3年が目安になります。
株分けを行った後は植え付けになりますので、9月から10月に行うのが通常です。
根を切らないように慎重に掘り出します。若い赤い色の芽を1株に3から4本残して切り分けてください。
切り分けた株を浅く植え付けてあげれば完了です。
[adsense]
芍薬に花が咲かない原因まとめ
芍薬は昔から「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と言われるように、美しさの代名詞となっています。育てている以上美しく咲かせたいと思うのは当然でしょう。
芍薬の花が咲くためにはたくさんの栄養が必要になります。
用土中に含まれている肥料、光合成により作られる養分が重要になってきます。株が大きくなってくると花を咲かせるために栄養を割くことができなくなり、花が咲かなくなってしまいます。
適度に株分けを行い、たっぷりの肥料で健康的に育てれば綺麗な花を咲かせてくれるでしょう。