もしかして野菜に元気がないのは肥料のあげすぎかも??と思っても、本当に肥料焼けかどうかを判別するのって難しいですよね。
ですが、肥料焼けを起こすときのパターンは限られているので、それを知ることである程度判別することができるし、初期のうちに気付けば野菜を復活させることもできます。
肥料焼けの原因によって対処法も変わってきますので、しっかりと見分け方を覚えましょう。
当記事では肥料焼けの見分け方と対処法をわかりやすくまとめましたので、参考にしてみてくださいね。
肥料焼けの葉っぱの症状と見分け方
肥料焼けの症状の出方には何パターンか種類がありますが、他の病気や栄養不足などと似た症状が出ることもあるので、見ただけでは判別することはとても難しいです。
ですが、症状がでる条件を知ることである程度の見分けができますので、まずは肥料をあげすぎた時の症状と、その症状がでる条件について知っていきましょう。
肥料焼けの症状①霜に当たったように萎える
霜にあたった後のように葉っぱがダランと力なく垂れいたら、脱水型と呼ばれる肥料焼けです。肥料の濃度が濃すぎて根っこからうまく水分を吸収できなくなってしまって起こります。
水不足や水の与えすぎによる不調と症状が似ていますが、判別する際の目安は
- 症状が出る数日前にたくさん肥料を与えた
- 畑全体ではなく一部だけに症状が出ている
といったところです。わかりやすい画像と記事を見つけました。
この方は一週間前に発酵鶏糞と油粕を施肥したようです。しかもこの症状が出ているのは2~3株だけみたいですね。このまま放っておくと茶色くなって枯れてしまします。
発酵鶏糞は化学肥料並みの即効性があるし、油粕も肥料焼けしやすい有機肥料の典型です。
肥料焼けの症状②葉っぱの周りが白っぽく変色
葉っぱの縁が淡い黄色から白っぽく変色してきたら葉焼け型という肥料焼けのサインであることがあります。肥料焼けだった場合、放置するとそのまま葉っぱが枯れて落ちてしまいます。
こちらは肥料不足の時と症状が似ていますが、判別するときのポイントとしては
- トンネル・ハウスで栽培をしている
- 苗や若葉に集中して、畑全体に症状がみられる
- 気温が高い時期に硫安や尿素・堆肥系の有機肥料を与えた
といった条件に当てはまれば、肥料をあげすぎた可能性が高いと思います。
これは肥料の濃度というよりは、肥料が発酵する過程で出てくるアンモニアガスが原因なんですよ。
揮発したアンモニアが葉っぱの組織を壊してしまうので、変色していってしまうんですね。
こんな感じで色が変わります。
このように葉っぱ全体に症状が出ることもあります。
肥料焼けの症状③若い根っこが黒い(濃い茶色)
若い根っこっていうのは普通白色をしているはずですが、肥料のあげすぎによって根が死んでしまうと濃い茶色になります。いわゆる根腐れですね。
この症状が全体に広がってしまうと野菜ごと死んでしまうので注意が必要です。
- 水をやりすぎていないのに根っこが黒い
- 有機肥料を十分に発酵させないで施肥した
- 根っこに直接触れる場所に肥料を与えた
こういった条件に当てはまるなら肥料焼けの可能性が高いですよ。
①の脱水型の症状と一緒に起こりやすいので、もし葉っぱがしなびて元気がない+本当に肥料焼けか判別できないってことなら、根っこをチラ見してみるのもありだと思います。
水のやりすぎや、除草剤をうっかり近くで散布してしまったときも根っこが黒っぽく変色することがあるので、合わせてチェックしてみてくださいね。
肥料焼けの症状④発芽しない
種をまく前に肥料を与えすぎると、元気に発芽してくれないという症状が現れることがあります。芽が出たとしても、大きくならないまま枯れてしまうんです。
- 元肥※として十分に発酵していない有機肥料を与えた
- 尿素や石灰系の肥料を与えた
- 種に直接触れる場所に肥料をまいた
こういった条件にあてはまって、しかも水やりとか日当たりに気を配っても発芽しなかった場合は肥料焼けを疑いましょう。
※元肥とは、種や苗を植える前に、あらかじめ土に混ぜ込んでおく肥料のこと
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肥料焼けの回復方法
一度肥料焼けを起こしてしまうと、ダメージを受けた葉っぱや根っこが復活することは難しいとされています。
特に、まだ苗の段階では回復する体力もないため、致命的なダメージとなってしまうことも多くあります。
ですが、異変にすぐに気が付けた場合や、苗がある程度大きくなっていて、体力があった場合は復活させられることもあります。
先ほど書いた通り、一度傷んだ葉や根っこはダメですが、 植物に体力がまだ残っていれば、 新たな葉や根が盛り返してくることがあるんです。
では、そのためにはどのような対処をしてあげればいいんでしょうか。
回復方法①水をたくさん与える
肥料を与えすぎてしまった場合は水を大量に与えるのが一番効果的です。 化学肥料の希釈を間違えたときなんかが当てはまりますね。
肥料焼けは、濃い肥料のせいで根っこから養分を吸い取れなくなっている状態なので、水で薄めてやればいいという理屈です。
様子をみながら3日間、 通常の3倍くらいのつもりでたっぷり水を与えましょう。
このとき、鉢植えなら日光の当たらないところに置くのがポイントです。できるだけ外部からの刺激から守ってあげましょう。
回復方法②肥料を取り除く
与えた肥料がタブレット状のものなら取り除きましょう。小さな粒場だった場合は、土を可能な限り取り除いて入れ替えるだけでも効果があります。
また、まだ発酵途中だった有機肥料を使ってしまった場合も土の入れ替えは効果的です。
有機肥料の場合は発酵途中で植物にとって有害なガスや熱が出てしまうので、水で薄めただけだと不十分です。
植え替えも視野に入れて対処しましょう。
回復方法③ハウスを換気する
肥料焼けの症状②で紹介した「葉焼け型」(葉っぱの周りが変色)のときは、アンモニアガスが原因です。
ハウス栽培している場合は換気をしてガスを出しましょう。また、表面の土をかき混ぜて、溜まっているガスを放出させてください。
特に、施肥したばかり+外気温が高いという状態であれば、症状が出る前に蒸気の方法をとることで、肥料焼けを予防することもできますよ。
肥料焼けとは?原理を簡単に解説
肥料焼けとは肥料を多くやりすぎることで起きてしまうものです。肥料は多ければ多いほど良さそうなイメージですが、これは違います。
よく肥料焼けについて、「人間も食べ物を食べすぎると具合が悪くなりますよね。それと同じです」なんて書いているサイトがありますが、
全く違います。もっと質の悪いものです。
肥料を多くあげすぎると、土の中の養分の濃度が上がります。そうすると、植物の中の水分が吸い取られてしまうんです。
理科の授業で「浸透圧」って習ったの覚えていますか?あの原理で、物質って「均等に存在しよう」って性質があります。
普段は植物の中の養分が少ないので、土から吸い上げようとしますが(そのお陰で水も入る)肥料焼けを起こすとその逆が起きてしまうってことですね。
家庭菜園をしていると、ついつい肥料を多くあげたくなってしまいますが、これが間違いなんです。
まとめ
肥料焼けは肥料のやりすぎというのが一番の原因です。ですが、意外と見落としがちなの原因は有機肥料の使用方法を知らずに使ったということです。
有機肥料っていうのは、お店で買ってから使用できるようになるまでに「1~2週間は土に混ぜ込んでおく」という作業が必要です。
すぐ使いたい場合でも根っこから離れたところに埋めておく必要があったりするんですね。
油粕とか魚粉とか、自家製でも肥料が作れるんだっていう情報だけを手に入れて、根元にジャンジャンまいてしまったりすると植物は一発で弱ってしまいます。
今回の記事で肥料焼けの症状について理解を深めたら、合わせて肥料の使い方も見直してみてくださいね。
美味しい野菜が実なりますように!!
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