頑固な油汚れも綺麗に浮かせる食器用洗剤ですから、手荒れの悩みは切っても切れませんよね。しかも毎日の作業なので、手肌が回復する時間も与えてくれません。
しかも「手に優しい」がキャッチフレーズの洗剤をすでに使っているのに全然効果が実感できない!という方がほとんどじゃないでしょうか。
そういったときは、そもそも手荒れしにくい洗剤とはどんなものなのかを理解すると解決策がみえてくる場合が多いです。
なんとなくのイメージでオーガニックや弱酸性といった言葉に誘われて購入すると、大事なことを見落としがちになってしまいますよ。
今回は手荒れしにくい洗剤の選び方とおすすめ商品を、洗剤に含まれている成分を参考にいくつかピックアップして紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
手荒れしにくい食器用洗剤の選び方
まず結論から先に言うと、手荒れしにくい食器用洗剤とは、「手に優しい界面活性剤を使用しているもの」ということになります。
界面活性剤とは、簡単に説明すると、水と油を混ざりやすくするために使われる成分です。この界面活性剤のお陰で頑固な油汚れもスルっと落とすことができます。
ただ困ったことに、界面活性剤は手をダメージから守ってくれている「皮脂膜」も綺麗に落としてしまいます。
通常は皮脂膜がなくなっても数時間すれば元通りに回復します。ですが、度重なる洗い物で回復力以上にダメージを受けると手荒れが引き起こされてしまうんですね。
さて、じゃあこの界面活性剤が含まれていなければ手荒れは防げるんじゃないかと思うわけですけど、実はそんな洗剤はありません。
オーガニックだろうと手肌に優しいと書いてあろうと、絶対に入っています。 無添加石鹸ですら、界面活性剤の一種なんですよ。
ただ、この界面活性剤にはいくつかの種類がありますし、洗剤の種類によって配合比率が違います。また、洗剤によってpH(ペーハー)が違うので、この液性が何かということも参考になります。
これらを知ることによって、手荒れしにくい洗剤を選ぶことができるんです。
手に優しい界面活性剤
汚れを落とす働きのあるものを「界面活性剤」と呼びますが、界面活性剤には大きくわけて2種類あります。
- 合成界面活性剤
- 石鹸
ちょっと厳密には違うんですが、この記事ではわかりやすくするためにこの2つの種類とさせてもらいますね。それぞれ説明していきます。
合成界面活性剤
石油から精製される界面活性剤です。商品名に「合成洗剤」と書かれているものがこれに当てはまります。
最近では植物由来の界面活性剤と謳っている企業もありますが、合成界面活性剤であることに変わりはありません。
最近では「植物由来」といったふれこみで、天然油脂を原料にした合成洗剤も存在しますが、石油由来の合成洗剤と同様に複雑な化学合成を繰り返し、最終的には自然界には存在しない合成界面活性剤を成分としています。
https://www.shabon.com/message/index.html
合成界面活性剤は、粒子が細かいので肌の奥まで浸透してしまう性質があります。さらに、水に触れても分解されにくいので肌の奥にずっと残ってしまうため、肌荒れを起こす原因のひとつとされています。
安価に大量生産できることから広く使われていて、P&GとかLIONとか花王の大手が出している食器用の洗剤には全て含まれていますね。
商品名で言うと、JOY、Magica、キュキュットとかです。
分解されずらいので洗浄力も長持ちするんですが、デメリットとして肌が荒れやすいといったところでしょうか。
石けん
石けんも界面活性剤のひとつなんですが、原料が違います。石けんは天然油脂(動物の油)や脂肪酸などの天然素材のみでできています。
商品名には「石けん」と必ず表記されてるんで、確認する場合は成分表示の上くらいを見てみてください。
ちなみに石けんというと、固形のものを思い浮かべる方が多いかと思いますが、それは違います。石けんでも液体や粉のものもあるし、逆に合成洗剤でも固形のものがあるので注意が必要です。
合成界面活性剤と比較すると、水に分解されやすいので肌に残りにくいというのが最大のメリットです。
油汚れに対する洗浄力では合成界面活性剤には負けてしまうんですが手荒れに関してはかなり効果的です。
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手荒れを最小限に留める食器用洗剤
ここまでのことを踏まえて、手荒れしにくい食器用洗剤は「石けん」であることは分かっていただけましたか?
石けんで、さらに無添加にこだわったものを選べばお肌への刺激を最小限に防ぐことができますので、ここではおすすめの石けんを紹介しますね。
1.シャボン玉石けん
元祖無添加せっけんのメーカーです。先代の社長自身が湿疹などで悩んだ経緯があることから、無添加へのこだわりは筋金入り。グリセリンが残る製法で石けんを作っているので、手が荒れにくいと定評があります。
2.ミヨシ石鹸
ミヨシ石鹸から出ている植物油を原料とした食器洗いせっけんです。純石けん分も28%で洗浄力が高く、価格もシャボン玉石けんより安いので、私はこちらをおすすめしています。
合成洗剤の中で手荒れしにくいものはある?
私が手荒れで本当に悩んでいる方におすすめするのは断然先ほど紹介した「石けん」です。
でも中には毎日油汚れの食器が多くて、洗浄力の強さを捨てきれない方もいると思います。
そんな方に向けて、手荒れしにくい合成洗剤というものも配合成分の割合から考えてみました。
選んだポイントは
- 合成界面活性剤の含有比率
- 液性(弱酸・中性・弱アルカリ)
です。合成界面活性剤の比率が比較的少なくて、さらに油汚れにも期待できそうな商品を3つほどピックアップしました。
1.Magica 酵素+
大手の食器用洗剤では、このMagica酵素+が一番手荒れにはいいと思いました。合成界面活性剤の比率は31%。花王のキュキュットは38~42%ですので、圧倒的に少ないです。
また、液性が中性だということもポイントです。 すでに手荒れしてしまっている場合は弱アルカリ性だと刺激が強い事があるんですよね。
油汚れには弱アルカリ性の方が効果を発揮するんですが、酵素+という部分で中性というデメリットも解消してくれています。
口コミも、他の合成洗剤と比べて手荒れしにくいという意見をチラホラ見かけることができました。
2.JOY ボタニカル
JOYボタニカルは合成界面活性剤32%でJOYのラインナップの中では一番含有量が少ないです。
合成界面活性剤の量は32%ですが、弱アルカリ性なので油汚れに対する強さは実感できると思います。 ちなみに大手3社の中だと唯一の弱アルカリ性の洗剤なんですよ。
※先ほどもいいましたが、弱アルカリ性はすでに手荒れしていると刺激になってしまうことがあります。油汚れには強いですが、手荒れがひどい場合には控えてくださいね。
3.エコベール
エコベールはドラッグストアではあまり見かけないかもしれません。ですが、合成洗剤の中では肌に優しくて油汚れに強いという定評があります。
ちなみに 合成界面活性剤の比率は22%で少なめ。
肌に優しい理由は、水に分解されやすい合成界面活性剤を使用しているからみたいですね。液性も弱酸性で素肌に近く設定してあります。
まとめ
手をダメージから守ってくれる皮脂膜は、洗剤を使わなくても流れ落ちていってしまうデリケートなものです。なので、手荒れを防ぐには水に分解されやすい洗剤を選んでダメージを長引かせないことがポイントになってきます。
手に優しいというキャッチフレーズのものがありますが、あれは手の奥に浸透しにくい合成界面活性剤を使っていたり、保湿成分を加えたりしているだけで、合成界面活性剤を使っていることには変わりないんですよね。
今回の記事では、手荒れがひどい方のために天然素材で水に分解されやすい「石けん」を一番におすすめしましたが、ひどい油汚れと戦う頻度や、手荒れの状態を考えて、自分にピッタリのものを選んでくださいね。
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