ピーマンのワタと種は実は食べられるんですよ。
苦味や青臭さが果肉より強いので、調理の時に捨ててしまう方の方が多いと思いますが
「カボチャのワタや種」「エノキの石づきの部分」「大根の皮」「ブロッコリーの茎の部分」などと一緒で食べられる野菜くず群の仲間。
私も捨てていた一人でして、野菜の種皮などは問答無用でコンポストへGOしていました。
ですが、テレビか何かで皮や種など野菜くずには栄養素が豊富!と知ってからは、こうしてブログ記事にするほど調べて料理に取り入れるように。
夏が旬のピーマンは、あのジリジリとした暑い日差しからお肌を守ってくれるだけではなく、この小さな部分に詰まっている栄養素が、夏の冷え症対策にも一役買ってくれていました。
ピーマンは1年を通して手に入る、安いのに栄養価がとても高い優秀なお野菜。
ぜひ丸ごと使った料理にチャレンジしてくださいね。
この記事では、ピーマンを種ごと使った料理のレシピと、種やワタに含まれる意外な栄養をご紹介していきます。
ピーマンは種ごと食べられる!
種を食べると腹痛が起きるとか、スイカでいうとおへそから芽が出るよ!とか種関連で脅されることって多かったと思います。
なので、ピーマンの種もなんの疑いもなく捨てていましたが、実は食べられるし栄養が豊富なんです。
ではなぜそんな風に語られているかと言うと、種には「アルカロイド」という毒が含まれているから。
これが苦みの原因な訳ですが、実は人間など大きな動物には無害です。無害というか、体内でしっかり分解されてしまうんですよね。
また、加熱をすることでもアルカロイドは分解されるものです。
なので、いくら体内で分解されるからといってもなんか嫌だな…と思う方は過熱をしっかりするようにすればOK。
海外ではピーマンは種まで食べることが一般的ですが、日本人は種=捨て!!という文化が強いですから、そのまま定着し続けているようです。
また、種だけ食べてみると分かりますが、種の部分は苦みが強いので、ピーマンの苦みを減らしたいとか、こどもに食べさせる場合は取り除いた方が無難です。
ちなみに私もかれこれ10年ほどピーマンは種ごと食べていますが、腹痛もなくおへそから芽が出ることもないです。
ピーマンの種が黒い場合は
ちなみに、ピーマンの種が黒い場合は取り除いた方がいい場合があります。
その見分け方や対処法は以下の記事にまとめてますので、ご覧ください。
[sc_blogcard url=”https://tasso-ikizama.com/greenpepper-blackseed/”]
ピーマンの種ごと食べられる時短レシピ
ピーマンの種やワタを取るのって、実は何気に面倒なんですよね。
種が果実の部分にひっついて、取り除くのに時間がかかったり。種だけ取ろうとしているのに実が割れちゃったり…
この項ではピーマンを種ごと食べられる2つのレシピをご紹介しますので、参考にしてみてください。
私も両方作って食べてみましたが、美味しかったですよ♬
材料はすべて2人分、簡単度は★で表しています。
①母の定番ピーマンの焼きびたし(調理時間約15分 ★★★★★)
【材料】
- ピーマン 4個
- 水 100ml
- しょうゆ 大さじ1
- みりん 大さじ1
- かつお節 適量(2.5gの小袋1パックくらい)
【作り方】
- ボウルに合わせ調味料を入れて混ぜ合わせる
- ピーマンを良く洗い(ヘタの部分は念入りに)、竹串で穴を数か所開ける
- 油をひかずにピーマンをフライパンに入れ、焼き目がつくまで中火で5分ほど焼く※焼き始めたらひっくり返したりせず、そのまま放っておきます
- 焼き目がついたら裏返して、反対側も焼き目がつくまで中火で5分ほど焼く
- 両面焼き目がついたら、1.の合わせ調味料を入れて全体になじませる
- プライパンに蓋をして、弱めの中火でピーマンがしんなりするまで5分ほど蒸す
②ピーマンの肉巻き(調理時間20分 ★★★★☆)
【材料】
- ピーマン 4個
- 豚バラ肉(薄切り) 4~8枚
- 昆布ポン酢スーパーマイルド(ポン酢・ポン酢しょうゆでもOK) 適量
- サラダ油 小さじ1
- 酒 大さじ1
- 塩 少々
- こしょう 少々
【作り方】
- 豚バラ肉に塩・こしょうを振りかけて下味をつける
- ピーマンは親指の付け根を使って上から押しつぶす
- ピーマンに1.の豚肉をきつめに巻き付ける
※ピーマンの頭とお尻がちょっと出ている感じです - フライパンにサラダ油をひき、豚肉の巻き終わりを下にしてピーマンを並べる
- 中火にかけて、全体に焼き色がつくまで焼く
- 全体に焼き色がついたら酒を入れてフライパンに蓋をする
- 弱めの中火でピーマンがしんなりするまで5分ほど蒸す
- お皿に盛りつけてから、昆布ポン酢スーパーマイルドをかける
定番のピーマンの肉詰めを作る時に、肉ダネに刻んだワタや種を入れても良さそうですね。
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ピーマンのワタと種に含まれる知られざる栄養素とは
ちなみにピーマンの知られざる栄養素、それは「カリウム」「カプシエイト」「ピラジン」です。
カリウム
「カリウム」は種の部分にあって、余分な水分を吸収して塩分を排出してくれる栄養素。
むくみの改善やコレステロールの低下、高脂血症の予防をしてくれます。
カプシエイト
「カプシエイト」はワタの部分にあって、血行の促進をしてくれる栄養素。
あまり聞かない「カプシエイト」ですが、効能は唐辛子でよく聞くカプサイシンと同じ。
「辛い物を食べて、汗を出してデトックス!」と思ってたくさん辛い物を食べると、このカプサイシンで粘膜が傷つくので、胃が荒れたり、下痢をしたりしてしまいます。
でも、「カプシエイト」の辛味はカプサイシンの1/1000。
なので、カプサイシンと違って粘膜を傷つける心配がありません。
体の深部や手足の抹消の体温を上げてくれますし、カプサイシンより「カプシエイト」の方が熱を体内にとどめておけるので、体温の維持もしてくれますよ。
ピラジン
そして最後の「ピラジン」。
「ピラジン」は、ピーマンのあの青臭さや苦味の元になるもの。
ピーマンが嫌いという方は、きっとそこが苦手なのでしょうね。
でも、この「ピラジン」もカプシエイト同様に血行の促進をしてくれます。
ピラジンは種やワタに多く含まれ、ピーマンの青臭い香りのもとになる香気成分。血流促進作用があり、血栓予防や冷え性対策としても効果的です。
https://magokoro-care-shoku.com/column/delicious-bell-pepper-recipe/
血液をサラサラにする効果って玉ねぎや青魚くらいしか聞いたことがないので、嬉しいですよね。
ピーマンを食べて美容効果UP!
「ピーマンのワタと種にそんなパワーがあったのか!」と気づいていただけましたか?
ピーマンの内側の知られざる栄養素もそうですが、ピーマンの果肉にもいくつもの栄養素があります。
きっと「ピーマンって、こんなにスゴイお野菜だったんだ!」と見る目が変わりますよ。
ピーマンの果肉が持つ主な栄養素は100gあたり、
- カリウム ・・・ 190mg
- ビタミンC ・・・ 76mg(緑ピーマンの場合。赤ピーマンは170mg)
- β-カロテン ・・・ 400μg(緑ピーマンの場合。赤ピーマンは1,100μg)
- マグネシウム ・・・ 11mg
- ビタミンE ・・・ 0.8mg
です。
(赤ピーマンはパプリカではなく、緑ピーマンが完熟したものです。苦味より甘味があります)
その他にもあるのですが、今回は多く含まれる「ビタミンC」と「β-カロテン」をピックアップします。
ビタミンC
「ビタミンC」はシミ、ソバカスなどの元になるメラニンの生成を抑えたり、たんぱく質や鉄分と一緒に摂ることで、肌のハリや保湿を保つコラーゲンを作ってくれたりする栄養素。
「ビタミンC」は水に溶けやすくて熱に弱いので、調理の過程で壊れてしまいがち。
でも、ピーマンには毛細血管の強化をしてくれるビタミンP(みかんの皮や袋やスジにも入ってます)が含まれていて、このビタミンPが「ビタミンC」を熱と酸化から守ってくれています。
なので、加熱調理をしても「ビタミンC」が壊れにくいんです。
キング オブ ビタミンCと呼ばれるレモンの「ビタミンC」が100gあたり100mgなので、赤ピーマンを選ぶといいかもしれませんね。
βカロテン
「βカロテン」は、体内に吸収されると必要に応じてビタミンAに変わるのですが、残った分の「βカロテン」は強い抗酸化作用を持っています。
脂質の酸化防止や免疫力強化をしてくれたり、髪や爪の健康維持や目の疲れを改善してくれたりする栄養素。
糖尿病・がん・動脈硬化の予防も期待できるので、美容以外にも期待できますね。
最後に
ピーマンの魅力に気づいていただけたでしょうか?
私も「ピーマンのワタと種」の栄養素に気づく前までは、調理の際に捨てていました・・。
そして「4個も5個もいらないよな。2個くらいで売ってくれないかな」
と思っていたのですが、それに気づいてからは、スーパーに行くと「今日もお安いお値段でありがと♬」と思って、ちょくちょく買ってきます。
「ピーマンの中は空っぽじゃなくて、栄養素があったんだ」と気づいたあなたも、ぜひ種ごと食べてみて下さいね。