しいたけの白いふわふわしたものは「気中菌糸(きちゅうきんし)」と言って食べることができます。
同じく白い斑点のようなものも「鱗片(りんぺん)」といって食べることができますよ。
ただ、そのまま食べるには抵抗がある方も多いでしょうし、白カビとの見分け方も不安がある方もいるかと思います。
この記事では気中菌糸の取り方や白カビとの見分け方について詳しく解説しました。
しいたけの白いふわふわは食べられる
しいたけついている白いふわふわした正体は「気中菌糸」というもので食べることができます。
傘や柄に白い綿状のものが付着していることがありますが、これは「気中菌糸(きちゅうきんし)」と言い、カビではなく、きのこ自身からきのこの菌糸が成長したものですので、そのまま加熱調理してお召し上がりいただけます。
https://www.nn.zennoh.or.jp/products/mushrooms/more/post-1.php
白カビにも見えるので勘違いされる方がいるんですが、気中菌糸はいわばキノコの赤ちゃん。
しいたけなどのきのこ類は元々「菌糸」が成長して集まってできたものですので気中菌糸がさらに成長すればキノコになります。
「気中菌糸=きのこそのもの」というわけです。
しいたけの石づき付近や軸にできることもありますし、傘の表面に白いふわふわができることもあります。しいたけ以外のエリンギやしめじ、舞茸にもよく発生するんですよ。
しいたけの白いカビとの見分け方
しいたけには気中菌糸だけでなく、本当の白カビが生えることもあります。
見分け方としては
- 気中菌糸は「綿のようにふわふわ」
- 白カビは「短くて粉っぽい」
とうい特徴がありますのですぐに分かります。ですが、圧倒的に気中菌糸の方が多いですね。
いくつか気中菌糸の画像で分かりやすいものを紹介しますね。
椎茸以外のものもありますが、こんな感じでふわふわしているのは気中菌糸です↓
マツタケ気中菌糸 pic.twitter.com/0aJrgezUFM
— 大魔王マッド菜園ティストHI-D (@seinaruossan) August 1, 2022
カビかと思って調べたら気中菌糸とか言って食える模様 pic.twitter.com/z5J6dsSHma
— リコピントマト@黄色カプチ (@kagomenotomato1) April 14, 2019
こういうのも粉っぽいけれど、よくみると白い部分がモコモコしてるので気中菌糸です。↓
気中菌糸だって(食べれる) pic.twitter.com/dOzV22Z5Ys
— でぃっち♨️でぃあ (@6night9) April 20, 2021
自然界だとこんな感じでのびのびと。↓
スーパーでキノコを買って賞味期限ギリギリまで保存しておくと、時に白いカビのように見えるものが生えることがあります。『気中菌糸』と言って子実体から菌糸を再形成する菌類の生き残る工夫です。キノコそのものなので食べても大丈夫🙆♀️写真は野生で見つけた気中菌糸✨#自然 #nature #きのこ #菌 pic.twitter.com/EkOKr8GoMD
— しらべ🌳🌲自称/森林環境活動家 (@urashira1) August 12, 2022
しいたけの傘にある白い斑点は「鱗片(りんぺん)」
あと紛らわしいのが、しいたけの傘の表面にできる白い斑点です。
これは「鱗片(りんぺん)」といって、きのこの表面の乾燥を防ぐ役割や守る役割があると考えられています。
↓このtweetの椎茸にあるような白いポツポツは鱗片です。
椎茸の傘にある白い模様の部分(鱗片)もぜひとも描いて欲しいなぁ〜🍄
— Watanabekai@七会きのこセンター (@Boo_Watanabe) June 11, 2022
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(収穫や梱包の間にどんどん落ちていってしまうんですよね(鱗片)) https://t.co/9L33sJ0TQB pic.twitter.com/UoTSE6xc0W
まだしっかりと解明されていないんですが、元々あるもので鱗片(りんぺん)も食べることができます。
むしろお店に並ぶまでの家庭で無くなってしまうことも多いので、鱗片があったら鮮度が高い証拠でもあります。
白いふわふわの取り方
しいたけの白いふわふわは、そのまま加熱調理して食べることができますが、気になる場合は湿らせたキッチンペーパーで表面を拭き取ればサッと落とすことができます。
食べられるとはいっても、洗って落とすこともできますが、しいたけは水に弱いので、その場合は料理の直前に拭き取ってあげてくださいね。
風味を落としたくないなら、拭き取るだけに留めましょう。
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食べられない椎茸の見分け方
気中菌糸の場合は食べることができますが、パッと見て判断できない場合は他の部分も見てみましょう。
気中菌糸は鮮度が高くても生えてきますが、傷んできた場合にしか出てこないものもあります。
青色・緑色のカビがある
白い粉みたいな白カビの中に「緑色」のものが混じっていたら、それは「緑カビ」か「青カビ」です。
実は「青カビ」なら無害なんですが青カビか緑カビか、素人が食品に生えたものを判断するのはすごく難しいんですよね。
こんな感じのカビの色はアウトです。↓
しいたけ カビまみれ pic.twitter.com/sB9BKQ5byv
— たわぺゃ (@twpya) March 11, 2021
↓これも白カビに見えますが、よくみると青・緑が混ざってますよね。
値札のしたのしいたけカビすぎやろ笑
— 木村☆ (@bb_nsm) January 29, 2020
なんぼなんでもカビすぎやろ pic.twitter.com/VVREiNsAKz
緑カビは毒性が強く、たくさん吸い込んでしまうと下痢や腹痛を引き起こしてしまいます。緑っぽいものが混じっていたら、どちらにせよ処分するようにしましょう。
酸っぱい・カビのにおいがする
傷んできたしいたけは、独特の臭いを発します。すっぱかったり、アンモニアのような臭いがしたら腐ってる証拠です。
ぬめりがある
しいたけは傷んでくると、段々水を出します。
スーパーで購入した状態のままで保存すると水の逃げ場がなく、黒っぽい汁が出ていることもあります。傘を触るとヌルっとした嫌な感じがするので分かりやすいですよ。
こうなったら中まで傷んでいることが多いので、処分しましょう。
傘の色が黒い
しいたけは鮮度が落ちて傷んでくると、最初白かった傘の裏が茶色→黒という風に変色してきます。これは酸化して腐ってしまったのが原因です。
表面が黒くなった程度なら、そこをそぎ落とせば食べることができますが、中まで黒い場合は食べることが出来ません。
詳しくはこちらの記事にまとめてますので、どの程度の黒さなら食べることができるのか分からない場合はご覧ください。
>>しいたけが黒い&茶色く変色したものは腐敗のサイン!食べられる基準は?
白いふわふわが発生する原因
しいたけの白いふわふわは食べられるけれど、あまり見た目もよくありません。気中菌糸が発生する原因を知ってできるだけ出てこない環境で保管しましょう。
気中菌糸が発生する条件は
- 空気に触れやすい状態
- 温度変化があった時
の大きく分けて2つがあります。
空気に触れやすい状態だった
気中菌糸は空気に触れやすい状態だと発生しやすいです。例えばスーパーで買ってきたパックを開封して、そのまま冷蔵庫に入れておいたりする状況が当てはまります。
温度変化があった時
あともうひとつ、しいたけに温度変化があった時も発生しやすいです。
お店で販売されている椎茸に、すでに白いふわふわ菌糸が付いていることがあります。
これも例えば収穫→店頭に並ぶまでに暖かい場所に置かれてから店内の寒い場所に保管場所が移った、という流れがあると発生しやすいんですよね。
気中菌糸の発生を抑えるには
以上のことから気中菌糸は購入後できるだけ暖かい場所におかず、密閉した状態で冷蔵OR冷凍保存することで発生を抑えることができます。
気中菌糸は出荷した段階で付着していることもあるので、単純に鮮度が落ちたから発生するわけではありません。
ですが、気中菌糸はしいたけ自体を栄養として成長しているので、あまり放っておくのもよくありませんし、見た目的にも良くないので、ここで紹介した原因と対策を知って発生しにくい環境で保管してくださいね。
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しいたけの保存方法
しいたけをできるだけ鮮度の高い状態で保管するには「冷凍」が一番おすすめです。
冷凍なら1ヶ月ほど保存できますし、しいたけの細胞が壊れてうま味がUPします。さらに便利な大きさにカットして冷凍できるので、料理の手間も省けます。
冷蔵でもいいですが、長くて1週間程度の保存となりますし、白いふわふわ気中菌糸も出てくる可能性があります。
夏場に常温で保管すると1日経たずに色が変わってきてしまいますので、最低でも冷蔵保存にしましょう。
冷凍
しいたけを冷凍保存する方法は、
- キッチンペーパーなどで汚れを拭き取る
- よく使う大きさにカット(4等分・スライスがおすすめ)
- 密閉できる保存袋に入れて冷凍
という3工程です。煮物用に4等分、炒め物用にスライスという風に用途によって切り方を変えた状態で冷凍すると便利ですよ。
調理するときは自然解凍すると風味や食感が悪くなりますので、冷凍のまま調理してあげてください。
冷蔵
しいたけを冷蔵保存する方法は
- キッチンペーパーなどで汚れを拭き取る
- キッチンペーパー・新聞紙で包みポリ袋入れる
- 傘を下にして野菜室で保管
です。ポイントはスーパーの袋から一度取り出すことです。
スーパーの袋はプラスチックトレイにラップしてあったり、ビニールの袋に直接入っていますよね。それだと椎茸から出る水分の逃げ場がないので傷みやすくなってしまいます。
また、傘の部分を下向きにして保存にすることで胞子が飛びにくくなるので長持ちします。
乾燥
番外編として乾燥椎茸にしてしまう手もあります。自宅のレンジを使用すると短時間で作れますし、ビタミンも増加するのでたまに作ると楽しいですよ。
しいたけの賞味期限
実はしいたけには賞味期限が表示されていません。果物や野菜と同じ生鮮食品で、産地や状態によって日持ちする日数が全く異なるためです。
ですから見た目や触った感触、臭いで判断するしかないんですよね。
椎茸は日持ちしそうなイメージがありますが、いずれにしても、出来るだけ早めに使った方が香りも食感もいいんです。
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しいたけを調理する意外と知られていないポイント
水で洗わない
しいたけは水洗いすると風味や香りが落ちてしまいます。
国産のしいたけは無農薬で栽培されていますし、菌床栽培・原木栽培と言って土が直接付かないような方法で育てられているので汚れを落とすだけで十分なんです。
もし洗わないと気になるという場合は、調理の直前にサッと洗う程度に留めましょう。
傘から水分がこぼれないように
しいたけを丸ごと焼いて食べるときは、両面ではなく傘を下にして片面だけ加熱するようにしましょう。
傘を下にして加熱することで、しいたけから出るうま味成分(水滴)をこぼさず頂くことができますよ。
傘を下にして、フライパンに蓋をして加熱調理しましょう。焦がさないように弱火~中火で蒸し焼きにするように焼くのがポイントです。
傘の裏に水滴が出てきたら焼けた合図ですので、そこに醤油やお好みのたれをかけて食べると◎
加熱時間は短め
しいたけを加熱するときはできるだけ短時間にするのがポイントです。
生だと食中毒を起こすという情報から、できるだけしっかり焼かなくちゃ…と考える方も多いのですが、これだと香りの成分である酵素まで破壊してしまいます。
しいたけは火の通りは早い方ですので、椎茸表面に汗をかいてきたら完成の合図。必要以上に焼かないようにしてくださいね。
切って調理
しいたけステーキ以外の調理方法ですが、例えばスライスするにしても、少し斜めに包丁を入れた方がいいです。
理由は断面積が大きくなるので、加熱時間も短くなりますし、味も上手に染み込ませることができます。
また、スライスすることでしいたけの細胞が壊れ、そのまま食べるよりも栄養を吸収しやすくなります。
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美味しいしいたけの見分け方
傘の裏の色
傘の裏の色が白いものを選ぶようにしましょう。しいたけは鮮度が落ちてくると茶色→黒と変色してきます。
新鮮なものほど傘の裏が綺麗な白色をしていて、ひだも綺麗な形をしてます。ちなみに傘の表面の色は濃い茶色でも薄い茶色でも味には関係がありません。
傘の形
傘の端がくるんと丸みを帯びているものを選ぶようにしましょう。
しいたけはナメコのように、最初丸っこい形から、段々傘が開いてきます。ですから、傘が丸くて厚いものの方が新鮮で美味しいという事なのです。
軸の状態
しいたけの軸は太いものを選びましょう。太ければ太いほど、栄養をしっかりと吸収していたしいたけです。苗木の幹が太い方が元気に育つのと同じですね。
このような条件が揃っているものを選ぶようにしてください。
まとめ
しいたけの白いふわふわしたものは、白カビではなく「気中菌糸」というものでした。
しいたけそのものなので、そのまま加熱調理して食べることができます。
もし抵抗がある場合はキッチンペーパーで拭き取ってから使うようにしましょう。
また、白いからと言ってすぐに気中菌糸だからOK!と判断するのではなく、周りに緑のカビは生えていないか?匂いや見た目は問題なさそうか?とチェックするようにしてくださいね。