菜の花といえば、春のはじまりに咲く黄色い花。
どこにでも咲いている素朴な花ですが、一面の菜の花畑を見るとその生命力に強く心を打たれます。
そんな菜の花ですが、「菜の花」という植物があると思っていませんか?
例えば「チューリップ」のように、「菜の花」という種類の花だと思っていませんか?
実は、調べてみると、菜の花というのは植物の名前ではないことが分かったんです。
栄養満点の野菜の代表格であるブロッコリーも菜の花を咲かせるんですよ。
「え?どういうこと?」と思ったあなた。
ここでは、ブロッコリーには菜の花が咲くという真実や、ブロッコリーと同じく菜の花を咲かせる野菜をまとめましたので、ぜひご覧ください。
ブロッコリーは菜の花という真実
わたしには一人娘がいますが、その娘の名前の中に「菜」という字が入っています。
菜の花のように力強く、元気に花咲いてほしいという想いからこの字を入れました。
わたしが名付ける時に想像していたのは、土手などに群生している黄色い花で、おそらくあなたも想像しているであろう「菜の花」です。
でも、実は「菜の花」という種類の花なんて植物学的にはないんですよ。
では菜の花とは何なのでしょうか。
一般的に菜の花というのは、花の部分が食材として使用される、アブラナ科の野菜の花のことを言うんです。
この説明だけではまだよく分かりませんよね。
そこで、ブロッコリーで考えてみることにしましょう。
ブロッコリーはアブラナ科の植物です。
普段スーパーで見かける、わたしたちが食べているブロッコリーは実は蕾の部分です。
蕾を食べているということは、菜の花ではありません。
菜の花というのは、「花の部分が食材として使用される」かつ「野菜の花のこと」のことを言いますからね。
でも、たまにブロッコリーに黄色い花がついているのを見たことはありませんか?
少し収穫が遅れたブロッコリーでしょうか。
ブロッコリーは花が咲いていてももちろん食べられます。
ということは、花が咲いたブロッコリーを食べた場合、そのブロッコリーの花は菜の花ということになるんです。
「花の部分が食材として使用される」かつ「野菜の花のこと」のどちらの条件も満たしていますからね。
つまり、ブロッコリーは菜の花ということになります。
衝撃の真実ではありませんか?
ということはです。わたしは娘にブロッコリーの花という意味の名前を付けたことになりますよね。
娘が大きくなった時にわたしはなんて説明をしてあげればいいんだろう。
ブロッコリーは栄養満点だし、美味しいし、使い勝手もいいから、まあいいんですけれど…。
子どもの名付けをする時は、漢字の意味をよく知ってから名付けた方がいいということですね。
ブロッコリーと同じアブラナ科の野菜を紹介
ブロッコリーはアブラナ科だとお伝えしましたが、実はアブラナ科の野菜って結構たくさんあるんです。
ここではブロッコリーと同じアブラナ科の野菜を紹介したいと思います。
アブラナ科の野菜には、
- キャベツ
- 大根
- 小松菜
- 白菜
- 水菜
- チンゲンサイ
- カリフラワー
- ケール
- ルッコラ
- クレソン
- わさび
などがあります。
こう見ると、日頃食材となっている野菜が多いですね。
これらは、通常は花が咲く前に収穫されて、食卓に並びます。
そのため、どれも冬野菜なんです。
これらの野菜は、種子をとるためや、放置されたまま成長を続けると、いずれ花が咲きます。
畑などで「菜の花綺麗だなぁ。」と何気なく見ていた花が、実はブロッコリーの花だったり、キャベツの花だったりするわけですね。
ちなみに、同じアブラナ科でも、咲く花の色は違います。
ブロッコリーやキャベツの花は黄色で、馴染みのある菜の花の色です。
白色の菜の花もあります。
白色の花を咲かせる野菜の代表は大根です。
また、紫色の花もあるんですよ。
紫色の花を咲かせるものの代表は花大根。
こちらは食用ではなく、園芸用の植物です。
このように、アブラナ科と一言で言っても、これだけたくさんの種類があり、咲かせる花も異なるって面白いですね。
なお、アブラナは漢字で書けば「油菜」で、アブラナの種から搾りだした油は「菜種油」と言います。
今では食用として使われていますが、以前は灯りをともす油としても使われていました。
また、技術が進んできて、食用として利用された菜種油の廃油を回収して精製すると、軽油の代わりになる燃料ができることでも注目されているんです。
アブラナは昔からわたしたちの生活に密着していて、今でもとてもお世話になっている存在なんですね。
ブロッコリーは菜の花?まとめ
今回は、「菜の花」という種類の花は植物学的にはなく、ブロッコリーにも菜の花が咲くという真実や、ブロッコリーと同じく菜の花を咲かせる野菜は、キャベツ・大根・小松菜など様々な種類があることをお伝えしました。
これって本当なの?と思ったあなたは、一度畑に生えている菜の花の根元の部分を確認してみてくださいね。
もしかしたらそれはブロッコリーかもしれませんよ。
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