何を聞いても素っ気ない態度(時に無視)、仏頂面でジロッとこちらを見たかと思えば「ハァ――――」とこれ見よがしにため息をつく…。
自分の要求をはっきりと言葉にしないで、舌打ちや大きな音を立てることで「私、不機嫌なんですけど」ってアピールしてくる…。
こういう人、不機嫌で人をコントロールしようとする人、周りにいませんか?
こういう人がいると、気を遣って疲れてしまいますよね。
でも心優しいあなたは「自分が何とかしてあげないと」「自分の行いが悪いんじゃないか」「もしかしたら攻撃されるのかもしれない…」などと思って、
「大丈夫ですか?何かあったんですか?」とついその人のご機嫌を伺おうと声をかけてしまうのではないでしょうか。
でもそれ、ちょっと待って!
不機嫌な人というのは、自分の思いや考えを抑え込んでいて、その気持ちの発散場所を探しています。
自分の感情を上手く表現できないから、人にその感情を解き放ってもらおうとしているんです。
なので、あなたのその行動は、その発散先として依存される原因になるかもしれません。
今回はどうしたら不機嫌な人に依存されなくなるのか、どうやって不機嫌な人からあなたの感情や人生を振り回されないようにするのかについてお伝えします。
不機嫌な人から距離を置いてみよう。やっぱり自分が大切!
結論から言うと、それは「相手の状況は理解した上で、無視する、放っておく」です。
「それって冷たいんじゃないの?」と思うかもしれませんね。
「早く機嫌を直してもらわないと、自分にも影響が及んでしまう」、そう思いますよね。
でも、それがベスト。
なぜなら、その人の気持ちや感情はその人のものだから。
不機嫌になった理由はその人自身にあって、あなたには関係のないことなんです。
私にもこういう経験がありました。
それは過去に付き合っていた彼の話です。
彼はムチ打ちが原因でパニック障害になり、仕事を退職することになりました。
社会復帰するまでに数年という時間がかかったので、その間に貯金も尽きたのでしょう。
私にお金を無心するようになったんです。
彼の体のことは心配でしたが、私に彼の希望額を満たせるほどのお金はありません。
なので、彼の要求をお断りしたところ、私を批判するメールを大量に送って来たりするようになりました。
さらには電話や会った時にはため息や無視、大きな音を立てて周りに迷惑をかける、私に聞こえるような独り言をつぶやいたりといったことで、自分の要求を通そうとしてきたりと。
私は彼に不機嫌を治して欲しかったし、お金を貸せないことを申し訳なく思っていたので、他のことで力になろうとあれやこれやと手を尽くしました。
でもその結果、別の要求がエスカレート。
私の身も心もボロボロになり、結局お別れをすることになりましたが、その時気づいたんです。
彼は私がどこまで要求を受け入れるのかを試していたんだと。
不機嫌になることで、満たされない思いを私に飲ませようとしていたのだと。
不機嫌になれば、周りの人が優しく構ってくれる。
不機嫌になれば、周りの人が何でもやってくれる。
不機嫌になれば、自分の要望が通る。
これってスーパーでおやつを買ってとねだる子どもと似ていませんか?
そういう子どもには、不機嫌になっておねだりしてもおやつは買わないということを教えますよね。
なので、要求を満たしてあげられないことを申し訳なく思ったり、罪悪感を感じたりする必要はまったくないんです。
その人自身も自立できなくなりますしね。
もし今あなたが、過去の私のように不機嫌な人の要求をすべて受け入れようとしているならば、今がいいチャンス。
思い切って、その人の顔色を見て機嫌をとる人生から降りてみましょう!
お互いの関係性にもよりますが、その人と深い関係を築かなくていいのならば「あの人、機嫌が悪いみたいだけれど、影響されないぞ」と境界線を引いて毅然とした態度を取りましょう。
私たちの合言葉は、『自分を犠牲にしてまで、近づく必要はない』。
これです!
[adsense]
不機嫌な態度で人をコントロールしようとする心理とは?
合言葉が決まったところで、最後に、なぜこういう人は不機嫌な態度で人をコントロールしようとするのかをお伝えしようと思います。
心理カウンセラーの知人に聞いてみたところ、それは自分の自尊心を満たしたいからとのことでした。
ちなみに自尊心とは、新語時事用語辞典によると『自分で自分のことを誇らしく思う心を意味する。簡単にいうと、自分への高評価ということである。』と書かれています。
そしてこの自尊心は、1歳から15歳くらいの間に日常的に両親から肯定されて愛情をうけていると育ちます。
一方、両親の不仲や離婚、暴力などで自分を否定される出来事が多いと育ちません。
過去に何らかの原因で自尊心を満たせなかった場合、「自分の価値を認めて欲しい」「優しくして欲しい」「甘えさせて欲しい」という欲求を大人になっても持ち続けます。
そしてこの「○○して欲しい」という欲求を自己主張できる勇気があればいいのですが、その勇気はありません。
なぜなら、これらの欲求を周りの人に受け入れられなかったら、自分が傷つくかもしれないという恐れを同時に持っているからです。
なので、満たされなかった欲求と自分が傷つくかもしれないという恐れから、先に威嚇することで周りの人をコントロールしようとするんです。
まとめ
ここまでいろいろとお話してきましたが、つまり不機嫌は自分の要求を通すための、自分のことを大切に扱わせようとするためのテクニックです。
そんなテクニックに振り回されるのはもうやめて、相手の感情・気持ち・機嫌は相手のものと割り切って、自分の人生を楽しむことに時間を使いましょうね。
『自分を犠牲にしてまで、近づく必要はない』ですよ!