水性ニスの商品ラベルには防水効果ありと書いてあるけれど、「水性」と聞くとどうしても水に溶けるんじゃないか?とか油性ニスと比べたら弱いんじゃないか?とか不安になってきますよね。
でも油性ニスは臭気も強いし、キッチン周りなど食品を扱うところでは特に水性を使っていきたいところです。
そこで今回は、水性ニスの防水性能がいったいどれくらいのものなのかリサーチしてみました。
水性ニスに防水性ってあるの??
結論からいうと、水性ニスに防水効果はあります。
水性ニスと聞くと、どうしても水に溶けてしまうイメージがありますよね。これは水性ペンのイメージが強いからだと個人的には思ってるんですが、ニスには同じイメージは当てはまりません。
塗装して、完全に乾燥硬化してしまえばしっかりと防水性能を発揮します。
ただ、水性ニスの種類によっては適している場所、適していない場所とありますので注意が必要です。
これからどんな場所でどの水性ニスが使えるのか説明するので、まず種類をなんとなく頭に入れてください。
水性ニスの種類を把握する
水性ニスの種類についてざっくり説明していきます。
水性ニスには大きく分けて
- 水性ニス
- 水性ウレタンニス
- 水溶性ニス
の3種類があります。 同じ水性ニスという名前が付いていても、種類によって随分性質が違ってきますので簡単に抑えておきましょう。
水性ニスと水性ウレタンニスの違い
水性ニスは雑貨とかインテリア用品とか、あまり日常的に触れないものに使います。
というのも水性ニスは乾燥した後も表面が柔らかいままなんです。 物でこすれたりした場合に傷が付きやすいという欠点 があります。
なので、水性ニスはテーブルとか床とか、よく物を出し入れする棚とか、とにかく日常で頻度高く使用するものには向いていません。
逆に、水性ウレタンニスは表面を硬くコーティングしてくれるので、そういった実用的なものに向いています。
表面が柔らかいか硬いかの差はありますが、どちらのニスも防水性能はあります。
水性ニスで表面が柔らかいからといって、水が掛かったら溶け出すということはないし、ちゃんと水拭きできます。
じゃあ何でも水性ウレタンの方がいいじゃん!って思うかもしれませんが、乾燥時間と価格がかなーり違います。
乾燥時間 | 価格(Amazon) | |
水性ニス | 60分 | 494円 |
水性ウレタンニス | 90分(完全乾燥には7日以上) | 928円 |
水性ニスの価格と水性ウレタンニスの価格の違いは大体2倍!乾燥時間も水性ウレタンニスの方が1.5倍かかります。
なので、実用的じゃない部分はただの水性ニスを使った方が断然お得&効率的なんですよ。
水性ニスと水溶性ニスの違いについて
名前は似てるんですけど、水性ニスと違って、水溶性ニスには防水効果はありません。
塗って乾燥したあとも、水をかければ柔らかくなって溶けてきてしまいます。
じゃあどこに使用するのって話なんですが、着色された紙粘土や紙に適しています。
普通の水性ニスでも紙粘土に使用できそうですが、実は水彩絵の具などで着色してあるものに使うと色がにじみ出てきてしまうんです。
子供のころ、学校の工作の時間に紙粘土で作品作って絵の具で色付けませんでした?そういう作品に特化したニスなんですよ。
もしかしたら、その時のいつまでもニスがペタペタしているイメージがあって、水性ニスも溶け出すのでは?って思っちゃうのかもしれませんね。
屋外でも使用できる水性ニスは??
残念ながら、一般的な水性ニスと水性ウレタンニスは屋内専用となっています。
ですが、最近は「屋外用の水性ニス」というものが販売されているんです。
各社、水性の屋外用ニスは出していますが、今のところこの和信ペイントの商品一強って感じです。
ただの水性ウレタンニスも使用できないということではないんですが、油性ニスと比べればやっぱり耐久性が落ちてしまうんですよね。
雨ざらしになるところに塗っても平気?
この水性外部用ニスの使用箇所をみてみると、「屋外木部用、木製ドア、ガーデニング木部、木製遊具」 ってなっています。そしてその下の注意書きに
「常に水につかる環境で使うものには使用しないでください」って書いてあります。
要は、多少の雨風は大丈夫だけど、常に濡れて湿ってるようなところには使えないよって話です。
実は、屋外用だからといって、防水性能がアップしてるわけじゃないんですよ。紫外線とか、カビを防ぐ薬剤がプラスされてるってだけなんです。
「日光にさらされても傷みにくいし、雨に濡れてもカビが生えるのを抑えてくれる水性ウレタンニス(塗膜は硬いので)」
って思っていてください。いくら屋外用とは言っても、雨に濡れればそれだけ傷んでくるのは早くなるし、それは油性だろうと水性だろうと同じことなんです。
水性ニスを塗った場所は水拭きできる??
水性ニスを塗った場所でも、ニスがしっかりと乾いた後なら水拭きすることができます。
ただ水性ニスだと表面が少し柔らかいままなので、実用的なものの場合は水性ウレタンニスが適しています。
先ほどチラっと書きましたが、例えば
- テーブル
- 床
- 物の出し入れが多い棚
が当てはまります。価格と乾燥時間に差があるので、上手に使い分けてくださいね。
水性ニスを塗ったものを水洗いできる??
水性ニスを塗ったものでも水洗いはできます。ただ、こちらもスポンジで擦り洗いするなら「水性ウレタンニス」の方がいいです。
最近の水性ウレタンニスは食品衛生法にも適合していて、ホルムアルデヒドの発散量もすごく少ないみたいです。F☆☆☆☆を獲得してて安全安心なんだとか。
これなら食器やこどものおもちゃにも使えそうですね。私も調べててびっくりしました^^;
水回りに適した水性ニスは?
水回りでも、常に水が掛かったり浸かっているところでなければ水性ニスが使えます。よく手や物が触れるところなら水性ウレタンニス。
たまに水が引っかかる程度ってことですね。
もしあまり触らないところなら、水性ニスを使ってください。ウレタンじゃなくっても、しっかりと塗装ができていれば問題なく使えます。
たまに、水性ニスを塗ったところが水に濡れてベタベタするとかいう人がいます。
それは乾燥時間を守らなかったか、厚塗りをしてしまったか、水溶性のニスを間違えて塗ったかのどれかだと思います。
水性ニスに撥水効果はあるの?
水性ニスの撥水効果はある・・・んですが、やっぱりずっと水に濡れたりしていると、塗装の隙間から水がしみ込んでしまったりするかもしれません(私たちもプロではないので、ムラとかあったら心配!)
撥水効果といっても、撥水剤とは違うので、濡れたら即拭く!という気持ちでいた方がいいと思います。
水性ニスの防水性まとめ
水性ニスはきちんと使用方法を守って乾燥させれば防水性を発揮します。
水性は水に弱いというイメージは、しっかりと乾燥させる前に使用して水で濡らしてしまった、という方がつけたイメージだと思います。
乾燥時間についてはこちらにまとめてありますので、確認しておいてください。
ただ、基本的には屋内用であるということ。屋外用の製品でも、雨などで濡れればそれだけ傷むのは早くなってしまします。
それは油性ニスを使ったところで変わらないことです。
水性ニスは油性ニスと比べると臭いも少ないし、乾燥時間も早いです。値段はちょっぴり高いと思いますが、とても便利な商品だと思うので、水に弱いなんてイメージは捨てて上手に使っていってくださいね。
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