バナナを食べていると、断面に黒いプツっとした小さな点を見つけて「これは何?」と思ったことはありませんか?
実は、バナナの中心部にある小さな黒い点は、種の名残なんです。
「じゃあ、今のバナナって種がないのにどうやって増えるの?!」と疑問に思いますよね。
そこで調べてみると、バナナは種がなくても子孫を残すことができるのが分かったんです。
ここでは、バナナの種について詳しくお伝えするとともに、種のないバナナがどうやって増えるのかを紹介したいと思います。
バナナの種はどこ?野生の名残と品種改良
りんごを食べようと皮をむくと、実の中には立派な種が見られます。
他にも、スイカ、柿、桃など、家で食べるような果物にはだいたい種があります。
でも、バナナには種は見当たりませんよね。
そうなんです、私たちが食べているバナナに種はないんです。
でも、輪切りにしたバナナをよく見てみると、中心に小さな黒い点があるのが分かります。
実は、これはバナナの種の名残なんです。
大昔の野生のバナナの原種には、実の中に立派な種があったんですよ。
種のある原種のバナナは、現在でもフィリピンやマレーシアなどに残っていて、現地の人は食べているそうです。
↓こんな
味わよいけれど、種がたくさんで食べにくい。
— Rikako (@hanalulun) May 14, 2020
ピサンバトゥ(石バナナ)と言う名前。石は種のこと?小石がいっぱい入っているバナナ?
種ありは突然変異を起こしていない野生種らいい。https://t.co/MuD3jugNTD pic.twitter.com/e8CkkY7ixd
その種は硬くて、0.5㎜前後のアズキ粒くらいの大きさのものがたくさん詰まっているそうですよ。
バナナに種がぎっしりと詰まっているなんてびっくりしますよね。
では、どうしてバナナの種はなくなったのでしょう。
より食べやすいように、種なしに品種改良されたのでしょうか?
答えは、違います。
実は、種なしバナナは偶然の産物なんです。
どういうことかと言えば、バナナの遺伝子に突然変異が起こったために種がなくなったんです。
もともと、原種の種ありバナナは、染色体の数が2本ずつ対になった「二倍体」というものでした。
植物でも動物でも、オスの染色体一本とメスの染色体一本とが合体して2本になるので、この二倍体が多いんです。
ですが、野生の種ありバナナが突然変異を起こし、染色体の数が3本ずつ対になった「三倍体」になりました。
一般的に、三倍体の植物は細胞分裂が不規則になるために、種や卵ができにくいという性質があります。
バナナもそうで、この突然変異によって三倍体の品種になり、種なしバナナができたのです。
本来であれば奇形ということになりますが、種なしのバナナというのは人間にとって都合のいいものでした。
種がないことで食べる部分が多くなりますし、食べやすいですからね。
そこで種なしバナナが定着していったと言われています。
なお、三倍体のバナナは通常の染色体の数とは異なるため、病気になりやすかったり栽培しにくかったりするようです。
そこで、現代では品種改良が進んで、二倍体の種なしバナナがたくさんできています。
二倍体になることで、病気に強くなったり、栽培しやすくなったり、またバナナの皮が薄いという長所があるようですよ。
種なしバナナはどうやって増えるの?
ここまでで、種なしバナナが突然変異ででき、人間にとってメリットが大きかったために現代まで残っているということは分かりました。
そこで疑問になるのが、「種なしバナナはどうやって子孫を残すの?」ということです。
実は、種なしバナナは自然には増えないため、人の手によって増やされているんです。
種がないので自然に増えようがないんですね。
どういうことかというと、茎の根っこから出てくる新芽を、人が株分けすることで子孫を作ります。
バナナ🍌から新芽🌱が出てきました〜‼️🤩
— おばら農園🏝南国プロジェクト🏖 (@VL4fzSLiuPggAkj) July 10, 2018
かわいい〜(๑╹ω╹๑ )w
さすが南国🏝のフルーツ‼︎
暑さに強いね❗️
この季節バナナ🍌もパイナップル🍍もグングン成長してきて嬉しい❗️😃 pic.twitter.com/6lykbKjCSz
バナナの茎というと、木の幹のように見える部分。
バナナは高さが大きいと10メートルくらいもあるので木のように思えますが、実は草です。
木の幹のように見える部分は、柔らかい葉が重なり合っている茎なんです。
種なしバナナの茎の根っこの脇から新芽が生えてくると、人がその中から良い芽だけを選びだして、苗を育てます。
そしてある程度苗が大きく成長したら、大きな畑に植えかえ、バナナの実を育てるのです。
このように、現代のバナナは種がなくても実が収穫できるようになっているんですよ。
まとめ
今回は、バナナの原種には種があったということや、現在一般的に食べられている種なしバナナは突然変異でできたということ。
また、種の名残が現代のバナナにも残っていることや、種なしバナナでも、人が新芽を株分けすることで実をつけることができることをお伝えしました。
いかがでしたか、少し誰かに話したくなる知識ではありませんでしたか?
ちなみに、豊富な栄養素が手軽に摂れるので、わたしは毎朝必ずバナナを食べます。
でも、もし今でもバナナに種があったとしたら、食べることが毎日の習慣にはなっていないと思います。
ただでさえバタバタしている朝に、小さい種を毎回取って食べるなんて考えただけで面倒ですからね。
そう考えると、偶然とはいえ、バナナに突然変異が起こってくれて有難いなぁなんて思うのです。